間取りを考える上で“失敗しがち”なポイントとは?

「キッチンの広さはこのくらい」「ここにも収納スペースが欲しいよね」「リビングは絶対に吹き抜けでっ!」…。家づくりを進めるにあたって【間取り】を考えることはとっても楽しい時間ですよね。

しかし、あれもこれもと理想だけを詰め込んだ結果、実際に住んでみたら「もっとこうしておけば…」と後悔する箇所が出てきてしまうことも少なくありません。

今回は、そんな間取りの失敗をできるだけ少なくするために《間取りを考える上で失敗しがちなポイント》を6つピックアップしてみました。

重要なのは「この間取りは、今の、そして未来のライフスタイルに合っているのか?」にフォーカスしていくこと。そして、家具や家電の配置や向き、日光の入り方や風の通り方、音や匂いといった細やかな部分まで、可能な限り具体的なイメージをしていくことです。


それでは早速、見ていきましょう!


 

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01収納をどこに、どれだけ作るか?



収納に関する失敗例としては…



・そもそも収納が少な過ぎる


・必要な場所に収納スペースがない


・クローゼットなどの扉が開けにくい(ドアや壁にぶつかる)


・スペースが狭くて、入れたいものが入らない


などが挙げられます。

▶解決策

現在のライフスタイルだけでなく、将来お子様が成長していくこと、老後の生活のことまでイメージして、必要となる収納の数・場所・広さを考えていきましょう。あらかじめ「この押入れには家族全員の寝具を収納する」「洗面台周辺にはタオルを●枚以上は置けるように」と細かく決めておくことで、使い勝手が良く、無駄のない収納に近づいていきます。また、収納ドアの“開く向き”も見落としがちな部分。「こっちのドアを閉めないと収納ドアが開かない」なんていうケアレスミスが起こらないように気を付けましょう。やみくもに収納を作り過ぎるのも考えものですよ。収納スペースが増えるということは、その分、部屋のスペースが狭くなったりする場合がありますから。

02部屋の位置・広さで注意したいこと

部屋の位置・広さに関する失敗例としては…

・キッチンの作業スペースが狭くて、人がすれ違えない


・廊下が狭く、ドアを開けると壁にぶつかってしまう


・玄関から脱衣所やトイレが丸見えになってしまう


などが挙げられます。

▶解決策

部屋の位置・広さに関しても、ライフスタイルの各シーンを綿密に想定して考えることが重要です。リビングなら「将来、どのくらい家族が増えるのか?」、寝室なら「ベッド以外にどんな家具を置きたいか?」、キッチンなら「料理は一人でするのか、複数人の場合が多いか?」といった具合です。どこに、何を、どの向きで置きたいかを具体的にイメージできれば、自然と、最適な位置・広さが決まっていきます。人目が気になりやすいトイレや脱衣所などは、玄関からの視界や隣家との距離に注意! 人と人とがすれ違うことの多い場所では、最低でも90cmくらいの幅を確保しておくのがおすすめです。

03失敗例多数! 配線・コンセントについて考える


配線・コンセントに関する失敗例としては…

・コンセントの数は多いが、どれも使い勝手が悪い


・コンセントの数が足りない


・靴を履いた場所から玄関照明スイッチに手が届かない


・家具の裏側にコンセントがあり、使うことができない


などが挙げられます。

▶解決策

多くの人が「もっとこうしておけば…」と後悔する部分です。とは言え、配線やコンセントは、季節や子どもの成長によって使用する頻度が変わってくるので、完璧な解決策を見出すのはなかなか難しいところ。それでも、ライフスタイルの各シーンを想定した上で考えていけば、かなり理想に近づくことができます。「どの部屋にどんな家具を置くのか?」「どのくらいの大きさの家電をどの向きで置くのか?」をしっかり把握し、各部屋に落とし込んでいくことで、必要な配線やコンセントの位置・数がイメージしやすくなります。よくある失敗のひとつに「コンセントや照明スイッチをドアの裏側に付けちゃった」というものがあります。収納と同じく、ドアの開く向きを考慮して「せっかくあるのに使えない」という悲劇が起こらないよう注意しましょう。また、コンセントの位置に関しては「設置する高さ」も使い勝手に影響してきますよ。

04日光の入り方、イメージできていますか?


採光に関する失敗例としては…

・昼間なのに、玄関がとても暗い


・北側の部屋は日中でも照明が必要になる


・リビングの採光が強過ぎて、テレビが見づらい


・せっかく新調した家具なのに、すぐ日焼けする


などが挙げられます。

▶解決策

間取りを考える上で、採光というのはとても重要です。例えば、日頃から多くの人が行き交う玄関やリビング。これらが暗いと、住んでいる人の気持ちもドンヨリしてしまいますし、余計な光熱費の原因にもなりかねませんよね。ただ、日光の入り方というのは、時間帯や季節によって大きく変化するものなので、なかなか計算しづらい部分でもあります。まずは「平日の日中は家に誰もいないことが多い」「週末の夜は家族みんながリビングに集まる」など、それぞれのライフスタイルに落とし込んだ上で、必要となる照明の位置や数をはじめ、間取りや窓の配置などを調整していきましょう。特に窓は、採光はもちろん、外部からの視線にも注意を払いたいところです。プライバシーの保護をしっかり確保した上で、最適な大きさ、高さ、付ける位置を吟味していきましょう。

05音の発生源をピックアップしよう

生活音に関する失敗例としては…


・家が道路に面しているので、車やバイクの走行音が気になる


・遊んでいる子どもの声や足音が家中に響き渡ってしまう


・浴室やトイレを隣家と近い場所に設置したため、音などがもれていないか心配


などが挙げられます。

▶解決策

家の中では、思っている以上にさまざまな生活音が発生します。話し声や足音、電化製品から出る音、浴室やトイレの排水音、道路や近隣といった外部からの音もそうですよね。実際に生活してみないとわからない部分ではありますが、可能な限り、音の発生源となりえる場所をピックアップしておくことが重要となってきます。そして、音の発生源から近い場所には、リビングや寝室といった「ストレスに敏感になる部屋」を避けるように配置していきましょう。

06意外と気になる、匂いの問題

匂いに関する失敗例としては…

・道路に面した立地なので、排気ガスが気になって窓を開けられない


・吹き抜けリビングにしたので、1階の匂い(キッチンなど)が家全体に広がってしまう


などが挙げられます。

▶解決策

生活音と同じく、どうしても見落としがちなのが匂いです。解決策としては、まず、家を建てる環境(立地)をしっかり把握しておくこと。そして、普段のライフスタイルから起こりうる匂いの発生原因をピックアップしておくことです。特に、開放的な間取りや吹き抜けリビングは、どうしても匂いの広がりが早く・広くなってしまいます。この場合は、風通りを計算して換気用の窓を設置したり、塗り壁に消臭効果のある珪藻土を採用するといった方法が効果的となります。

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いかがでしたでしょうか?

【間取り】を考える上で参考になる情報がいくつか見つけられたのではないでしょうか? 


後悔のない間取りを叶えるポイントは、まずはそこに住まう人たちのライフスタイルをしっかりと把握すること。そして、将来を見据えたライフスタイルまで想像してみることです。

一生に一度の家づくり。「もっとこうしておけば…」をゼロにするために、これら6つの“失敗しがちなこと”を頭に入れて、理想的な間取りを構築してみてくださいね