リモートワーク普及で人気上昇! ちゃんと使える書斎の作り方


新型コロナ自粛の影響で、在宅勤務をはじめとするリモートワークが普及しています。そんな中、家づくりにおいても「どこかに書斎などのワークスペースを」といったご相談が数多く寄せられるようになりました。

ひと昔前なら、間取りの優先度において下位に沈んでいた書斎スペース。パパさんからのご要望がほとんどなので「まぁ、余裕があればね」とあやふやにされるケースが多かったと思います(で、最終的には作らない方向に…)。そんなかわいそうなパパさんにとっては、リモートワークの普及はある意味、朗報ですね(笑)。

書斎とは本来「読書や執筆、研究などをするための部屋」。しかし、現代の家づくりにおいてはもう少しフランクな捉え方がされています。仕事やパソコンの作業空間としてはもちろん、ママさんの趣味や子どもたちが集中して勉強できるスペースとしてなど、汎用性の高い空間として書斎が作られるようになってきています。

というわけで今回は、そんな人気上昇中の書斎についてお伝えしていきます!



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■書斎が彩るシーン&メリット


書斎と言うとどんな空間を想像しますか? 「一人で静かにリラックスできる空間」、「仕事や趣味に没頭できる空間」「誰にも邪魔されない自分だけの空間」といった感じでしょうか。ひとつ屋根の下、家族と言えども一人ひとりのプライバシーは尊重されなければいけません。そんな時、書斎というあえての閉鎖的な空間があるだけで、「やっぱり作って良かった」と思えるような数々のシーン&メリットが生み出されていきます。

例えば…

・家全体の雰囲気やコンセプトに関係なく、書斎だけは自分の好きなように決められる


・誰にも邪魔されずに、静かに一人の時間を楽しむことができる


・大好きな趣味に没頭でき、作業途中でも道具などをそのまま置いておける


・仕事関連の書類や家計簿など、他人に見られたり触られたくないものを置いておける


・「書斎に入ると気持ちが切り替わり、集中できる」など、家の中にいながらメリハリのある生活ができる

いかがですか? 具体的なイメージとして、書斎を作るシーン&メリットを感じられたのではないでしょうか? この他によく聞かれる声として「夫婦喧嘩や親子喧嘩をした時に、頭をクールダウンする場所として最適だった」というものもあります。家の中でも、時には「一人でいたい」っていう瞬間がありますよね。そんな時の“かけ込み寺的役割”としても、書斎を作るメリットが見出されるようです。

■書斎を作る上で一番大切なこと


書斎を作るメリットをご理解いただいた上で、次はデメリットとも言える部分をお伝えしていきます。新築で書斎を作られた方が、後々になって「失敗した」と感じることとは何だと思いますか? 答えは2つあります。それは「結局、全然使っていない」、もうひとつは「気付いたら物置きスペースになっていた」です。せっかくこだわった書斎でも、これではあまりにもったいないですよね。宝の持ち腐れです。


では、なぜこのような失敗や後悔が起きるのか? それは「何のために書斎を作るのか?」という目的が明確になっていないからです。反対に、書斎を作る目的がしっかりしていれば、必要となる面積や形、個室型にするのかオープン型にするのか、間取りのどこに配置するのかといった、必要となる書斎の具体的なイメージが浮かび上がってきます。

現在、書斎を作るか否かでお悩みでしたら、まずはご家族で「何のために書斎を作るのか?」をしっかり話し合うところから始めてみてください。話し合いの中で「書斎でやりたいこと」をリストアップするのも良いかもしれませんね。

■「作って良かった♪」を叶えるポイント


ご家族で十分話し合った結果、めでたく「書斎を作ろう!」となったあなたにさらなるアドバイス! ここでは、よりベターな書斎を作るために知っておきたいポイントをまとめました。あなたが思い描く書斎のイメージに、下記それぞれの項目を当てはめていくことで、「やっぱり作って良かった♪」と思える、後悔のない書斎に近づいていくはずです。

●使いやすい場所に配置する

間取りの中では、どうしても“余ったスペース”に追いやられてしまいがちな書斎。ですが、そんな中でもできる限り「書斎の場所」にこだわっていきましょう。家族で共有するならリビングやキッチンの近くが良いでしょうし、早朝や深夜の利用が多いのであれば寝室などからは遠い位置が良いですよね。住み始めてみたら「2階の一番奥にあるから行くのが面倒」なんてならないように。こうなると、いずれ物置きになることは容易に想像できますから。

●目的に合わせてパターン選び
書斎には目的によっていろいろなパターンがあります。例えば、仕事部屋としての書斎であれば、扉を付けた完全個室型がおすすめです。家族みんなで使うのであれば、自由に行き来できるオープン型にして、ある程度広めのスペースが必要となります。近年では、階段ホールや廊下の一角に書斎スペースを設けるコーナータイプ型も人気です。

●正方形より長方形がおすすめ

書斎スペースを有効活用するために、空間の形は、正方形より奥行きのある長方形がおすすめです。長めのカウンターテーブルや本棚などの壁面収納をキレイにおさめることができますよ。限られたスペースの中で、無駄なく、機能性に富んだ書斎空間を目指していきましょう。

●気温や換気は大丈夫?

特に完全個室型の書斎では、直射日光の熱がこもったり、窓を開けてもなかなか換気ができないという問題が発生する場合があります。「夏は暑くて仕方がない」「臭いがなかなか抜けない」となっては、快適な空間からかけ離れてしまいますよね。空気の流れを計算し、窓の位置や空調設備などをしっかり考えていきましょう。




●防音対策もしっかりと

プライベート感のある書斎ということで、ついつい深夜や早朝まで作業をしてしまうこともあるはずです。ここで問題となるのが、音の問題。家族が寝静まっている中では、ちょっと物を動かす音でも思っている以上に響き、ストレスになったりします。床をクッションフロアにするなど、書斎にも最低限の防音対策を心掛けてみてください。

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あるデータによると、注文住宅の新築で[パパの要望No.1]に輝いたのが書斎だそうです。まさにこのブログを読みながら「なかなか言い出せないけど、やっぱり書斎はほしいよなぁ…」と密かな思いを抱かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

書斎というのは、確かに「あってもなくても良い空間」です。しかし、書斎がひとつあることで、+αの豊かさや余裕といったものが生まれてくるような気がしませんか? 仕事や家事、育児でバタバタとした毎日が流れる中、ちょっとした隙間に、静かに読書を楽しんだり、プライベートな時間に打ち込めるのはステキですよね。自分の「好き」でいっぱいにすることもできますし、“もうひとつの小さなリビング”として家族が思い思いに活用することもできます。そんな書斎が完成すれば、末永く「やっぱり書斎を作って良かった♪」と思えるでしょう。

まずはご家族で「ウチには書斎が必要かどうか」を吟味していただき、その上で、どこに、どのくらいのスペースで、どのようなパターンで作るのかをイメージしてみてください。繰り返しになりますが、一番大切なのは「何のために書斎を作るのか?」ですよ。